2009-03-13

小さな旅


横浜駅の高島屋にお茶の自主練習に必要な、茶巾を買いに行った。エスカレーターに乗ると、「加賀・能登・金沢の名品展開催中」というポスターが目に入り、ちょっと見に行ってみようと思った。

漆器などの工芸品がたくさん並び、とてもきらびやかな中に温かさのある文化を感じた。そしてその奥に、物産のお店がたくさん出ていて、試食を楽しみながらぐるっと見て周った。

一つ行列ができていたのが、紫船小出の「ふくさ」というお菓子を作っていたお店の前。職人さんがリズムよく、生地を流し込んで作る、緑のパンケーキのような物に、目を奪われてしまい、値段も一つ¥137とお手頃だったので、私も並んでしまった。後ろに並んだおばさんも、あの緑の色に誘われてしまったと話してくれた。でもどんな味かはわからないが、きっとどら焼きのようなものだろうと憶測した。でもきっと美味しいだろうと信じて、15分ほど並んだ。

職人さんの手さばきは、見事だった。鉄板の上に、少しだけバターを塗り、生地を落とし、木でできた蓋をかぶせ蒸し焼きにしている間、前に焼き上がったものに餡子をこれまた、リズムよく包んでいく。



家に帰り、さっそくお茶を点て、「ふくさ」をいただいた。味はどら焼きに似ているが、もっとふっくらしていて、餡子の甘さもほどよい感じで、待って買ったかいがあった。美味しかった!3つ買ったので、あと2つは明日主人とおめざにいただくことにしたい。



他にも、主人の好きなしめ鯖の味に似た「銭福屋のにしんの麹漬け」、麺がしこしこの「鶴一屋の半生うどん」、お茶の稽古でいただいたと同じようなお菓子「浦田甘陽堂の花うらら」を購入した。ちょっとした旅気分。

下の階に画廊があるので、何をやっているだろうと見てみた。富山県で吹きガラスの工房を持っている方の作品展をやっていたので、覗いてみた。

ガラスの作品も昔から好きで、見るのが好きだ。この作家さんの作品は、美しさの中に、心の温もりを感じさせられ、その空間にいるだけで、心が嬉しくなった。ちょうど作家さんの鈴木玄太さん(www.gentaglass.jp) もいらして、経歴を見た時に、同志社大学で文化史を勉強した後、スイスのガラス工房に入ったと書いてあったので、なぜそうしたのか聞いてみると、お父様が京都の漆器の作家さんで、自分も物作りをしたかったからだと。ちょうど隣の部屋でお父様の漆器の作品展があるので、ぜひ見ていってくださいと、京都弁で話してくれた。

なので、隣も覗いて見た。京都らしい、しっとりした美しい作品だった。ガラスの作品の中にも京都の美を感じた。

今日は、横浜にいながら、ちょっと小さな旅をした気分になった。


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