陶芸で難しいのは、デザインや絵柄を考えること。
初めて絵柄を考えた時に、あれこれ下書きしながら、結局その時出回っていたアメリカンチェリーにしてみようと思った。
実際に描いてみると、画才もなく、自分としては腑に落ちない絵柄になってしまった。
「まぁ、最初はこんなもんかっ。」
と、あきらめ、焼き上がった。
もちろん、焼き上がると自分の作品はどんなもんでもかわいいものだが、でもチェリーを見ると、やっぱり腑に落ちない。
昨日、前の同僚であり友達のKKちゃんとKUちゃんが遊びに来てくれた。チェリーの器にはグレープフルーツをむいたものをのせ、出した。
おしゃべりしながら、グレープフルーツがなくなると、KKちゃんが、
「あー、チェリーだー。」
小学生のような絵柄なので、おかしいと思われたのかなと思ったら、
「子供の頃、友達とチェリー・クラブっていうのを作って、会員証まで手作りしたんだよね。今も30過ぎても、チェリーズってどうかねっていいながら、集まってるの。これみて、なんか嬉しかった。他の子も見たら喜ぶかもー。」
と、嬉しそうに話してくれた。
でかした、チェリー!
こんな絵柄でも、KKちゃんの心をちょっと喜ばせる事ができた。ダメだと思っていたものでも、こんな用いられ方ができる。
これからも、ただ導かれるままに、その時与えられたインスピレーションで作っていこう。たとえ、自分では腑に落ちない作品だとしても、どこかでそれによって、心が暖まってくれる人がいつかいると信じよう。
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