2007-08-24

でかした、チェリー!

陶芸で難しいのは、デザインや絵柄を考えること。

初めて絵柄を考えた時に、あれこれ下書きしながら、結局その時出回っていたアメリカンチェリーにしてみようと思った。

実際に描いてみると、画才もなく、自分としては腑に落ちない絵柄になってしまった。

「まぁ、最初はこんなもんかっ。」

と、あきらめ、焼き上がった。

もちろん、焼き上がると自分の作品はどんなもんでもかわいいものだが、でもチェリーを見ると、やっぱり腑に落ちない。

昨日、前の同僚であり友達のKKちゃんとKUちゃんが遊びに来てくれた。チェリーの器にはグレープフルーツをむいたものをのせ、出した。

おしゃべりしながら、グレープフルーツがなくなると、KKちゃんが、

「あー、チェリーだー。」

小学生のような絵柄なので、おかしいと思われたのかなと思ったら、

「子供の頃、友達とチェリー・クラブっていうのを作って、会員証まで手作りしたんだよね。今も30過ぎても、チェリーズってどうかねっていいながら、集まってるの。これみて、なんか嬉しかった。他の子も見たら喜ぶかもー。」

と、嬉しそうに話してくれた。

でかした、チェリー!

こんな絵柄でも、KKちゃんの心をちょっと喜ばせる事ができた。ダメだと思っていたものでも、こんな用いられ方ができる。

これからも、ただ導かれるままに、その時与えられたインスピレーションで作っていこう。たとえ、自分では腑に落ちない作品だとしても、どこかでそれによって、心が暖まってくれる人がいつかいると信じよう。

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