2007-08-16

ブレークスルー

そういえば、横浜に引っ越してきて、楽しみが増えていた。駅の近くの銭湯に旦那と行くことだ。この銭湯は、昔ながらの番台があり、天井も高く、それに黒湯の天然温泉も付いている。

銭湯は子供の頃から好きで、家にお風呂があっても、夏休みになると近所の友達とスペシャルイベントとして、銭湯に子供だけで行かせてもらっていた。

そういう時は、必ず銭湯に入ってるおばちゃん達が私達の行動を見張っていて、私達がバチャバチャ湯船でやっていたり、水をうめすぎると、注意された。その頃の風呂上りの一本は、フルーツ牛乳。

横浜での銭湯デビューしてから間もなく、黒湯に入ろうとしたら、その日はものすごく熱く、水でうめて入っていたら、横の洗い場から長老らしきおばあちゃんが、

「熱くないわよね~。ぬるいわよね~。」

と、横の人に同意を求め、私はしぶしぶ蛇口をひねり、我慢して熱いお湯に入っていた。と言っても、結構芯まで熱くなり、気持ちいいのだが・・・・

その日以来、この銭湯の長老おばあちゃんがいると、ちょっと萎縮し、水でうめないようにしていた。

しかし、昨晩ブレークスルーがあった!

昨晩も仕事帰りの主人と駅で待ち合わせし、お風呂バッグを持って銭湯に行った。10pm近くだったので、もう長老おばあちゃんはいないと思っていたら、入っていた。

おとなしく、髪をシャワーで洗っていたら、脇を通った長老おばあちゃんが、

「冷たくない?大丈夫?」

と気使って声を掛けてくれた。その後、湯船に入り、いつものように、湯船の脇の場所にいる長老おばあちゃんは、

「熱かったら、うめなさいよ~。」

と言ってくれた。私もここぞチャンスと思い、話しかけてみた。そのおばあちゃんはこの銭湯に20年通い続けているそう。いろいろ、話しを楽しくできた。

それを見ていた他の常連さんが、私が黒湯に入る時に、

「水でうめて入らないと、あんまり熱すぎるのは体に悪いわよ。」

と、声を掛けてくれた。今まで、あんまりないことだった。

なにか日本の社会の縮図を見た気がした。今まで新参だった私を、七ヶ月経ってやっと長老のおばあちゃんに、ある意味認められ、優しい言葉を掛けてもらった。それを見ていた常連さんが、安心して声を掛けてくれたのだろう。新参者にも最初から心ゆるしてくれたらいいのにと思うが、それは仕方がない。

風呂上り、この地域にちょっとなじめたことに、心がホッとして、なんか嬉しかった。ここでの風呂上りの一本は、森永マミー!祝杯をあげようと思ったけど、昨晩は売り切れだった。

帰り道、ブレークスルー話しを旦那さんにしながら歩いていたら、向こうから、もう一組の常連さん達が歩いてきた。

0 件のコメント: