2008-07-01

茶を愉しむ



お茶のお稽古を始めたことによって、また世界が拡がってきた。

先々週、主人がブックオフに行った時、三浦綾子さんの書いた、「千利休とその妻たち」という歴史ロマン(宣伝文句)の小説を見つけ、買ってきてくれた。


以前だったら、興味なく終わっていた本だったかもしれないが、最初の5~6ページ読んだだけでも、茶の事について書いてあって、なるほどなるほどと読み進めていくうちに、あっという間に上巻を読み終え、昨晩主人に下巻を本屋で買ってきてもらった。

もちろん、三浦綾子さんの文章力に惹き込まれてしまったからかもしれない。その時代にいるような感じすらする。

先週の、一ヶ月に一度のお茶のお稽古では、また、お茶を点てる所作を教わった。やはり忘れていることばかりだったので、T先生に一つづつ、もう一度教えてもらいながらのお点前になった。


T先生は、適度な緊張感の中に、笑いを忘れずにお稽古してくださるので、覚える事が多くて、大変な中でも楽しく学べる。合間合間に色々な道具に関する豆知識も話してくださり、


「利休さんの作った、茶杓は今でも2~3年に一度、古道具市場に並ぶんですよ。」


と、話してくださった。「千利休とその妻たち」の最初の方に、利休が竹で茶杓を削る場面が出てくる。それを読んだ直後にこの話しを聞いたので、400年の茶の流れがつながり、歴史の事実を垣間見た気がして、なんだかワクワクした。無論、利休さんの茶杓自体はまだ見ていないのだが。

私が、ノンフィクションの本が好きなのも、こういう読んだ事を見聞き、体験できた時に味わう、ハッとさせられる感覚が好きだからなのかもしれない。

この本の中には、教科書ではあまり取り上げられていないが、日本の歴史の中では大きな変革を国と社会にもたらしたキリシタンの姿も出てくる。数年前に、東京でキリシタン・ツアーという、キリシタンの跡地を巡るツアーに参加し、キリシタン灯篭、文絵、キリシタン弾圧のお触書きなどを実際に見る事ができた。その当時、日本の人口の30%あまりが、キリシタンになったという事実は驚くべきことだが、あまり知られていないのも事実。


だんだんと、我が家にも、お茶のお点前に最低限必要なものが揃ってきた。そろそろ主人にも自己流のお手前を披露しようかな。茶を一緒に愉しみたい。

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