2010-07-29

はじまり



先週から週4日、鎌倉に通っている。海外駐在員のお父さんを持ち、家族で海外に住み、現地のインターナショナル校に入った中学生のT君に、夏休みで一時日本に帰っている間の、英語の勉強のため、一ヶ月間だけ英語をみている。

初日は私も緊張していたせいか、前置き短くレッスンに入ってしまった。中学生の男子らしく、つまらなそうに、時計をチラチラ見ながらのレッスンになってしまった。一番初めの、打ち合わせの時は、礼儀正しく、「これならうまくやっていけそうだ!」と思っていたので、自分でもとまどってしまった。90分のレッスンのために、色々用意していったのだが、撃沈された。でも、一つだけT君のほうから英語で質問してくれた。「先生はどうして、そんなに英語がしゃべれるんですか?」ちょっと、ホッとした瞬間だった。とにかく、自分はT君の英語を助けたいので、どうやって勉強したいか教えてねと言い残し、その日のレッスンを終えた。途中、お母さんやお姉さんが、様子見に入って来られ、レッスン後「態度悪くてすみませ~ん。海外で教えてもらってる先生にも、あんなんですよ~。」とおっしゃってくださった。

その日の反省を自分なりにしていくと、自己紹介もなく始めてしまったことに気づいた。

次のレッスンでは、まず自己紹介もせずに始めたことを誤り、一通りの自己紹介をした。ちょっと、心が開いたのが伺えた。そして、どうやって英語を勉強してきたかを説明した。前回のレッスンの時に、T君が質問してくれた時にも、英語の出会いともなった冊子を見せてあげることになっていたので、それを見せてあげた。



もうボロボロだが、これは小学1年生の時に出会ったもの。実は5歳上の兄が買った、「小学六年生」の4月特大号の付録として付いていた、マンガの付いた英単語帳。兄の目にはあまり留まらなかったようだが、私は毎日のように読んでいた。

中はこんな感じ。



もちろん、アルファベットなど読めないので、カタカナを読んでいたが、だじゃれが付いていて、これがおかしくてたまらなかった。そして、小学1年の夏に、セサミストリートが日本で初めて放映された。ちょうど夏休み入ってから始まったようで、セサミストリートのキャラクターのアーニーやバート、ビッグバード、カウントの目などを着けながら作っていく工程から見ていた。その時は、字幕もなく、ただひたすら英語のみの放送で、何をやっているのか検討もつかなかったが、何日も見ていく間に、英語で数の数え方などまねていた。今考えると、この番組も、たまたま見たものだったと思う。不思議な出会いだ。この番組のおかげで、おそらくネイティブの英語に触れる事ができ、発音がネイティブに近づけられたのだと思う。


とにかく、この冊子の出会いと、ちょうどその後で始まったセサミストリートが、私の英語生活の始まりだった。よく、アメリカ人の人からも、「どうやって英語を勉強したの?」と聞かれると、「あなたと同じように、セサミストリーを見てよ。」と、笑いをとる。

その後、小3の時には、家の近くに「楽しい英語教室」という、自宅で子供達に英語を教える教室が始まった。今考えると、実にこれも幸運な環境だったと思う。月一回、リチャード先生というアメリカ人の先生が来るのが、楽しみだった。5年生になって、塾に行くようになるまで通った。

そして、中学生になって初めてちゃんと文法を勉強した。中学3年でクリスチャンになってからは、教会でインターナショナル校のアメリカ人の先生が低額で英会話を教えてくださっていた、高校生以上のクラスに特例で入れてもらった。


英語との出会いがなかったら、私の人生もずいぶん違っていただろうと、つくづく思う。



T君も、この冊子をパラパラめくりながら「おもしろい!」と。私は「つかみOK!」と、心の中でつぶやいた。

その後は、T君の心が開いたお陰で、楽しくレッスンできるようになった。T君がちょっとづつ、英語の楽しさを体験しているようで、先生としても嬉しいかぎり。語学は、とにかく本人にやる気があればで、壁にぶち当たっても、いくらでも伸びていく。T君にも、そうなって、どんどん英語の力を伸ばして欲しいと、日々祈りつつ、知恵を絞りつつレッスンしている。

教えるって楽しい!そういえば、母も義母も学校の先生だ・・・・

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