今週のお茶のお稽古に出てきた主菓子は、水饅頭の中に餡子ではなく、葡萄の黄色の身が入ったもので、思わず「蛍みたいですね。」と言った所、三渓園という横浜で有名な日本庭園の近くに住むOさんが、「今週、三渓園で蛍観れますよ。」とお話ししてくださった。
さっそく、主人に金曜の夜仕事帰りに行ってみようと誘い、自転車で昨晩行って来た。
以前、何回か三渓園には行った事があるが、夜の公開時に行ったのは、初めて。ちょうど花菖蒲も綺麗に咲いていて、ライトアップされていた。さすがに金曜の夜は子供連れの方も多く、あちこちで賑やかな声がしていた。
蛍のいる湧水の流れている奥まった場所へ、ぞろぞろと歩いて行き、段々暗がりの道順の方へ入って行ったら、見えた!淡く、でもしっかりとした光を何の法則もなく点滅させながら、ゆらゆらと飛んでいた。何とも幻想的で、一気に蛍の世界に魅了された。
場所を変えながら、最終的に座れる場所を見つけて1時間ほど閉園時間まで、主人と共に神様の創造された美しい生物に観入ってしまった。主人は「人間にはああいう光でああいうふうに飛ぶ小さな物は決して作れないよね。」と言っていた。ディズニーランドの「カリブの海賊」の乗り物の最初の穏やかな所を通る時に、蛍が飛んでいる所があって、最初見た時は感動したが、2回目以降はフェイクとしか見れずちょっと虚しくなった。本物はいくら見てても飽きさせないものだ。
蛍は英語では「Firefly」と言い、直訳すると「火のハエ」。まあそうだろうが、何とも味気ない感じがする。漢字でも火かんむりに虫とも書くが、'○○虫'とは付けなかった。もし付けていたら「ほっほっほーたる来い♪」の曲も生まれてこなかっただろう。子供達は今でもこの曲を歌っていた。
もし蛍が光をずーっと放ちながら飛んでいたら、結構鬱陶しかったかも知れない。法則なしで点滅しながら、たった1週間だけ光を放ち命を尽きる蛍が、日本人の感性に合っているのかも知れない。
この「賛美小舎」という名前の由来が入り口に記されていてた。上田氏が岡倉天心の思想やマコトフジムラさんが示す'日本文化の根底には美を賛える心がある'と言う事に共鳴して自邸を賛美小舎と名付けたとあった。
こんな事も考えながら観ていた。周りでは大人も子供も蛍に感声をあげていた。
帰りに本牧の回転寿司によって少し遅めの夕食を頂いた。思わず最初に注文したのは'蛍烏賊'の握り。蛍に感化された夜だった…
2 件のコメント:
最後のオチがいいね。
いやいや、それ程でも・・・
コメントを投稿