2015-02-04

ふりだし



今日の陶芸は、以前手びねりで作った、「ふりだし」の釉掛け。「ふりだし」はお茶の道具の一つで、金平糖などを入れて、お客さんにお出しするもの。金平糖を出すときは、器を傾け、くるくる回しながら中身を出す。これは織部釉を掛けることにした。
 



今回は、まず織部釉を内側に掛け、その後外側に掛けた。そして、織部釉の上だけに撥水剤を塗った。そのあとベンガラで、釉薬の流れを見てからインスピレーションを受けて、色々な図案を参考に描いた。このあと、透明釉を掛けるはずが、時間切れ。次回掛けることになった。

今日の午前中は、西荻窪にある数奇和ギャラリーに物をを届けに行き、その後、知人のお父様の告別式に秋津の教会に向かった。秋津に行く前に、駅で軽いお昼をとることにして、ベーカリーのイートインに入った。あいにく席は満席で、どうしようかと思っていたら、お年を召したご婦人が、「よかったら、前の席どうぞ。」と勧めてくださり、ご好意に甘えることにした。無言で食べるのもなんなので、「今日は暖かいですね~。」と話しかけてみたら、思わず話しが弾んだ。お年はなんと91歳。でもとてもとてもそんなお年には見えないほど、お元気な方だった。よくよく話しを聞くと、長刀の重鎮の方で、今も現役で指導をしに、武道館や千葉に電車で行かれているとのことだった。

告別式は、91歳の方で、自分は99歳まで生きるんだと言って、年始には車の運転までしていらした方が、急に具合が悪くなり、召されてしっまったと伺った。略歴が紹介されたが、16歳の時、中国から夢を抱いて、日本に留学に来られ、戦争を切り抜け、中国の体制が変わり、母国に戻ることができずに、日本人の女性と結婚されたことを伺った。なんと壮大な人生を送られたことだろう。

91歳のそれぞれの生き方、旅立ちに出会った一日に思いをはせながら、陶芸をして、ホッと一息できる幸いに感謝・・・

 

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